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慎也 齋藤

ひまわり月報2月 憲法ってなんだろう?

 岩内ひまわり基金法律事務所の齋藤です。


 新型コロナウイルスの感染拡大により、日常的に人々の権利が制限される場面が増え、その中で“憲法”の話が出てくることも増えてきたように感じます。AIRDOの飛行機に搭乗した人が、マスクの着用を拒否して飛行機を降ろされ、「憲法違反だ!」と主張したりしていました。憲法は、六法全書でも一番初めに載っている一番重要な法律です。ただ、とても重要なのに「憲法って何か、あまりわかってもらえていないな」と思ったので、今回は憲法について書きます。

 一番重要な法律と書きましたが、そもそも憲法は法律ではありません。法律とは逆のものです。国(国民の代表、立法府)が、国民が生きやすくなるように定めるルールが法律です。国民には、この自分たちの選んだ代表が定めたルールを守って生活することが望まれます。これに対して、憲法は、国(立法府、行政府、司法府)を縛るものです。国の国民に対する約束といってよいでしょうか?そのため、法律とは違って、国民の代表でも簡単には変えられません(国民に対する約束を自分で変えられることにしたら意味がないので。)。

憲法には、いろいろな権利が定められています。表現の自由とか、職業選択の自由とか、居住・移転の自由とかそういったものです。これは、国によっていろいろな権利・自由が制限されてきた歴史があるため、そのような歴史を繰り返さないように憲法で約束しているものです。憲法の約束がある限り、国は、表現の自由とか職業選択の自由とかに反する法律を定めることはできませんし、反する行為をすることもできません。

 ただ、何度もいいますが、憲法は国を縛るものです。国が、警察をして、総理大臣を批判している人を逮捕すれば憲法違反ですが、お母さんが、友達の悪口を言う子に「そんなこと言うんじゃない!」と怒っても憲法違反にはなりません。国が、「北海道の人は国会議員になれない」という法律を作ったら憲法違反ですが、お父さんが子に「国会議員になんてなるんじゃない!」と言っても憲法違反にはなりません。

 以上のとおり、憲法は、法律とは逆のものです。法律の根拠になるものです。おかしな法律が作られないように定めているものです。とても重要な決まりなので、よく読んでみてください。“国が”その決まりに反しているときは「憲法違反だ!」と言ってやってください。憲法が変えられない限り、その主張は表現の自由として保障されます(お母さんは「やめなさい!」と言うかもしれませんが。)。


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