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慎也 齋藤

ひまわり月報8月 準備できていますか

 岩内ひまわり基金法律事務所の齋藤です。


 今、簡単にできることが、後になると難しくなることがあります。

東京にいたころから、又、今でも、相続や高齢の方の財産管理の相談を受けることがよくあります。「もう少し前にご相談いただけば・・・」と思うことがよくあるので、今回はその話をさせていただきます。

一番よく寄せられるのは、「母さんは生きていた時、自分の財産の半分は〇〇さんにあげたいって言っていたんだけど・・・」という亡くなった方の身近にいた人から亡くなった方の思いを告げられるご相談です。

是非、今、この記事を読んでいる人で、同じようにお母さんやお父さんから、「〇〇さんにあげたい」と言われて、「そのようにしてあげたい」と思った人は、直ぐにお父さんお母さんに「それ遺言に書こう」と伝えてください。

お母さんやお父さんが元気なうちであれば、遺言に自分の希望する財産の分け方を書くだけで、自分の思った通りに財産を分けることができます(遺留分とか例外はありますが。)。ただ、自分で財産を管理できない状態になった後や亡くなった後では、いくら生前に「〇〇さんにあげたい」と意思を表明していたとしても、原則として法律に従って財産は相続人に行ってしまいます。

法律と違う分け方をするためには、相続人全員の同意が必要になります。相続人が子ども数人だけならいいのですが、場合によっては子どもの何人かは先に亡くなっており、その子どもの子や孫が出てきます。その子や孫は、亡くなった人に会ったこともない人であったりするところ、その人を亡くなった人の意思に基づいて説得できるでしょうか。行方がよくわかない人が登場することまであります。

私は、お父さんお母さんの意思を実現したい、自分がもらえる分が減るのに「〇〇さんにあげたい」と頑張る人の手助けをしたことが何度かあります。ただ、そのうちのいくつかは、遠くの相続人の理解を得られなかったり、連絡がつかなかったりで、実現できませんでした。

是非、身近な人の意思を実現してあげたいと思ったら、その人が元気なうちに「それ遺言書に書こう」とお伝えください。書き方がわからないときには、私や周りの法律に詳しい人に相談してみてください。基本を押さえればそんなに難しくはありませんので。

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